守備評価がなぜ難しいのか
野球の守備を客観的に評価することは、打撃・投球の評価より遥かに難しいと言われてきました。伝統的な指標である守備率(Fielding%)は「エラーをしない確率」を測るだけで、「そもそも追いつけない打球」は評価に含まれません。
例えば、足の遅い外野手はエラーが少なくても守備率は高くなりますが、実際には届かない打球が多く守備力が低い可能性があります。セイバーメトリクスは「守れる範囲の広さ」を評価するために、より精緻な守備指標を開発しました。
ポジションごとの役割や守備位置番号の基礎はMLBの守備位置完全ガイドを参照。
UZRとDRS:セイバーメトリクス守備指標
OAA:Statcast時代の守備指標
OAA(Outs Above Average)はMLB公式のStatcastデータを使った守備指標です。打球の位置・速度・角度をもとに「アウトにできる確率」を計算し、実際のアウト数との差を示します。
2016年以降のデータで利用可能で、外野手だけでなく内野手のジャンプ・走力も評価します。Sprint Speed(走力)・Arm Strength(送球速度)もStatcastで測定され、OAAの参考指標として使われます。
捕手にはPop Time(二塁送球タイム)やFraming Rate(際どいボールをストライクに変える率)が守備評価に使われます。
ゴールドグラブ賞と守備指標の関係
ポジション別の守備難易度とスペクトラム
MLB各ポジションは守備難易度に差があり、「ポジション・スペクトラム」として整理されています(難しい順):
- 捕手(キャッチャー)
- センター(中堅手)
- ショートストップ
- セカンド(二塁手)
- サード(三塁手)
- レフト・ライト(左右翼手)
- ファースト(一塁手)
難しいポジションの選手は打撃貢献が少なくても守備で価値を生み出せるため、WAR計算ではポジション補正(ポジション・アジャストメント)が加えられます。