スプリングトレーニングとは?
スプリングトレーニング(Spring Training)は、MLBの正規シーズン開幕前に行われる春季キャンプです。毎年2月中旬から3月末にかけて、全30球団がフロリダ州またはアリゾナ州に集まり、約6週間のキャンプを実施します。
スプリングトレーニングの主な目的は3つあります。
- コンディション調整:オフシーズン明けの選手が体をシーズン仕様に戻す
- ロースター争い:新加入選手やマイナーの有望株が開幕ロースター入りをアピールする
- 戦術確認:新しいサインプレーや打線構成を試す
オープン戦(Cactus League/Grapefruit League games)は成績が公式記録に残らないため、各チームは積極的に若手を起用します。日本人ファンにとっては大谷翔平・山本由伸ら日本人選手の新シーズン状態を最初に確認できる機会でもあります。
グレープフルーツリーグとケークタスリーグ
スプリングトレーニングは開催地によって2つのリーグに分かれます。
| リーグ名 | 開催地 | 参加球団数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| グレープフルーツリーグ(Grapefruit League) | フロリダ州 | 15球団 | ヤンキース・メッツ・レッズなど東海岸系球団 |
| ケークタスリーグ(Cactus League) | アリゾナ州 | 15球団 | ドジャース・エンゼルス・カブスなど西海岸系 |
グレープフルーツリーグはフロリダ州中部〜南部の各都市(タンパ・フォートマイヤーズ・サラソタなど)に球場が点在しています。ケークタスリーグはアリゾナ州フェニックス大都市圏(スコッツデール・テンピ・グレンデールなど)に集中しており、球場間の移動が短いため複数チームの観戦がしやすいです。
ドジャース・エンゼルスはアリゾナ(ケークタスリーグ)のため、大谷翔平・山本由伸のキャンプはスコッツデールで行われます。
ロースター争い:開幕26人枠を目指して
MLBの開幕ロースターは26人(2020年改定)で、シーズン中は最大28人まで拡張可能です(9月は28人固定)。スプリングトレーニングでは40〜80人規模でキャンプを行い、開幕に向けて選手を絞り込みます。
ロースター争いの焦点になる選手は主に以下の3タイプです。
- 非ロースター招待選手(NRI):マイナー選手やベテランFAがメジャー昇格をアピール。成功例は多く、毎年話題を呼びます
- ポジション争い:開幕スターティングを複数選手が争う(例:捕手2名が正捕手争いなど)
- ブルペン争い:救援投手のロースター枠は毎年7〜8人程度で激戦
オープン戦の成績(打率・防御率・奪三振数)はロースター選考の参考になりますが、首脳陣は成績だけでなく守備力・走塁・メンタルも総合的に評価します。
オープン戦の観戦方法
スプリングトレーニングのオープン戦はMLB公式サイト(mlb.com)やMLB.TVでライブ配信されます。日本からはMLB.TV(有料)または一部試合がDAZNで中継されます。
現地観戦の場合、チケット代は通常の公式戦より安く(10〜40ドル程度)、球場がコンパクトなためグラウンドに近い席で観戦できます。選手が近くを歩くためサインや写真撮影の機会も多く、日本人ファンがキャンプ観戦ツアーを組むケースもあります。
スケジュール上の注意点として、スプリングトレーニング終盤(3月中旬以降)は主力選手が試合に出なくなることもあります。逆に序盤(2月下旬〜3月上旬)はNRIを含む多様な選手を見られるため、マイナーの有望株ウォッチには最適です。
日本人選手のスプリングトレーニング
日本人選手がMLBのスプリングトレーニングに参加する際の注目点を紹介します。
- 新加入選手の初登板:NPBからのポスティングやFAで移籍した直後の年、スプリングトレーニングが「メジャーデビュー前の最終試験」になります。佐々木朗希(2025年)・山本由伸(2024年)らが話題を呼びました
- 状態確認:前年故障した選手のリハビリ状態確認。スプリングトレーニングで投球・打撃のフォームや球速が戻っているかが注目されます
- 契約年の背景:年俸交渉が終わった直後のキャンプは、選手がモチベーション高く参加することが多く、好パフォーマンスを見せることがあります
スプリングトレーニングのオープン戦成績はシーズン公式記録には含まれませんが、Baseball Referenceなどの統計サイトで確認できます。