リリーフ投手の種類と役割

MLBのリリーフ投手(救援投手)は役割によって以下に分類されます:

  • クローザー(守護神):9回のリードを守る最終回専門の抑え投手。チームで最も信頼できるリリーフが担います
  • セットアッパー(8th inning guy):8回を担当し、クローザーへつなぐ投手。「8番手」と呼ばれることも
  • ミドルリリーフ:5〜7回を担当。先発の後を受け、試合の流れを維持する役割
  • ロングリリーフ:先発が早期KOされた際に長いイニングを担当。2〜3イニング以上投げることもある
  • スペシャリスト:対左打者・対右打者に特化した1イニング未満の投手(現在は3打者最低限ルールあり)

リリーフ投手の能力はERAFIPWHIPK/9で評価します。

セーブ(S)とホールド(H)の条件

セーブ(Save=SV)の条件:

  • チームが勝利し、投手が最後のアウトを取る
  • 3回以上登板、または3点差以内のリードを守る、または同点・逆転の走者を抱えた場面で登板

クローザーの評価には「セーブ成功率」が使われますが、セイバーメトリクスでは登板機会の難易度を考慮しない問題があるとされます。

ホールド(Hold=HD)の条件:

  • セーブ機会で登板し、1人以上アウトを取り、リードを維持して降板

ホールドはセットアッパーの貢献を評価する指標ですが、公式統計扱いではありません。ブルペン全体の質を測るにはFIPWARが有効です。

勝利投手・敗戦投手・セーブがどの投手に記録されるかの詳細な判定ルールは勝利投手・敗戦投手・セーブの決定方法で解説している。

現代ブルペン戦略:オープナーとマルチイニング登板

近年のMLBではブルペンの使い方が大きく変化しています:

オープナー:先発ではなくリリーフを「開幕投手」として1〜2イニングのみ登板させ、その後をメイン投手につなぐ戦略(詳細)。

マルチイニング登板:クローザー格の投手を2イニング以上使う戦略。特にポストシーズンでは重要な場面に応じてクローザーを早期登板させることが増えています。

3打者最低限ルール(2020年〜):救援投手は最低3打者(または イニング終了まで)投げることが義務化され、スペシャリストの多用が制限されました。

ブルペン全体のFIPWHIPはチームの守護力を示し、強豪球団の条件の一つです。

リリーフ投手のセイバーメトリクス評価

セイバーメトリクスでは従来のセーブ数よりも以下の指標でリリーフ投手を評価します:

  • FIP(守備を除いた投手力):守備の影響を排除した実力指標。リリーフは短いイニングなのでサンプルが少なく変動が大きい点に注意
  • xFIP:FIPを本塁打率で補正し、運の影響をさらに除去した指標
  • K/9(9イニングあたり奪三振):リリーフ投手の支配力を測る。10以上が一流の目安
  • BB/9(四球率):制球力の指標。2.0未満が優秀
  • WHIP:1イニングあたりの走者許容数。クローザーは0.90未満が目安

WARはリリーフ投手にも計算されますが、先発より投球イニングが少ないため3.0超えは例外的な存在です。

MLB歴代クローザーと日本人リリーフ投手

MLB歴代の名クローザー:マリアノ・リベラ(ヤンキース・通算652S)、トレバー・ホフマン(パドレス・通算601S)、ビリー・ワグナー、フランシスコ・ロドリゲス(2008年に62Sの記録)など。

日本人リリーフ投手としては松井裕樹(パドレス)が近年MLBで活躍しています。先発からリリーフへの転向では千賀滉大(メッツ)が先発を担っています。

クローザーの市場価値(FA市場)は高く、安定したSV実績と低いERAFIPを持つ投手には年俸2,000万ドル超の大型契約も珍しくありません。