MLBの基本的な試合の仕組み

MLBは9イニング制で行われ、各イニングで攻撃と守備を交互に行います。27個のアウトを取るまでが1試合です。基本的な野球のルールはNPB(日本プロ野球)と共通していますが、いくつかの重要な違いがあります。

試合は9回終了時点で同点の場合、延長戦に突入します。MLBではレギュラーシーズンにタイブレーク制(延長10回からノーアウト満塁でスタート)が採用されており、NPBの引き分けとは異なり、決着がつくまで試合が続きます。ポストシーズン(プレーオフ)ではタイブレークは使用されません。

項目MLBNPB
イニング数9回(延長あり)9回(引き分けあり)
延長タイブレーク10回〜採用採用(球場により異なる)
指名打者(DH)両リーグ採用パ・リーグのみ
ボールサイズMLB規格(やや大きめ)NPB規格

2023年導入の新ルール:ピッチクロックとシフト禁止

2023年シーズンから、MLBは試合時間の短縮と打者有利な環境づくりを目的に大きなルール変更を行いました。

ピッチクロック

投手は走者なしのとき15秒以内、走者ありのとき20秒以内に投球しなければなりません。この制限を超えると自動的にボールが1つカウントされます。打者側も8秒前には打席に入り、投球に備えた姿勢を取る義務があります。この変更により平均試合時間が大幅に短縮され(約3時間→約2時間40分)、テンポの良い試合展開が実現しました。

シフト禁止(守備制限)

従来、守備側は打者の打球傾向に合わせて4人の内野手を自由に配置できました。新ルールでは内野手は必ず二塁ベースを挟んで2人ずつ配置しなければならず、外野手は外野に位置する必要があります。これにより打者の打率が改善傾向にあります。

ベースサイズの拡大

塁(ベース)のサイズが従来の15インチ四方から18インチ四方に拡大されました。選手の接触による怪我リスクの軽減と、盗塁を試みやすい環境づくりが目的です。盗塁数は増加傾向にあります。

NPB(日本プロ野球)との主な違い

野球観戦経験のある日本人がMLBを初めて見るとき、いくつかの違いに気づきます。

  • ボールの違い:MLBのボールはNPBより縫い目が高く、握り感が異なります。この違いが投球フォームや球種にも影響します。大谷翔平や山本由伸がMLB移籍後に適応に苦労した要因の一つです。
  • マウンドの傾斜:MLBのマウンドはNPBより傾斜がきつい場合があり、投手の着地位置や下半身の使い方に影響します。
  • 試合数:MLBのレギュラーシーズンは162試合(NPBは143試合)と多く、疲労管理や投手のローテーションが重要です。
  • 応援スタイル:日本のような鳴り物(トランペット・太鼓)を使った組織的な応援はなく、個人の歓声や手拍子が中心です。球場によって独自の応援文化があります。
  • DH制:NPBではパ・リーグのみDHを採用していましたが、MLBは2022年から両リーグでDH制を採用しています。

MLB特有の投球・概念を知る

MLBを楽しむ上で知っておきたい投球・概念をまとめました。

  • オープナー:先発投手ではなくリリーフ投手が最初の1〜2イニングを投げ、その後「先発」に該当する投手(ピッチャー・フォー・デイ)に交代する戦術。
  • オプトアウト:選手が契約途中でFA権を行使できる条項。複数年契約の選手が成績次第で契約を破棄し、新たなFA交渉に入れます。
  • ロールプレイヤー vs スター:MLBでは二刀流(投手兼野手)は大谷翔平以前はほぼ存在しませんでした。ポジション専任が基本で、打順も厳密にはルールがないため、監督の采配が重要です。

投球指標の見方についてはMLBの成績指標入門ガイドセイバーメトリクス用語集も参考にしてください。